日常生活において「何を選択するかが重要なんだ」と教えてくれた花森安治さんの仕事。

ども。伊勢久楽ミサです。

今日も、引き続き花森安治さんについて話します。

『暮しの手帖』って、一見主婦向けの、衣食住に関するお役立ち記事が書かれている雑誌のフリをしています。

でも行間には、「あなたはどう生きますか? 何を選択しますか?」という問いかけが隠されていて、なまじっかな哲学書よりも「哲学」が書かれていました。

それも、「ああせい、こうせい」と指図するふうではなく、自然と考えさせられてしまい、自分で解をみつけなくてはいられなくなるような書き方で書かれていました。

 

たしかに、暮し方を変える雑誌でした

 

巻頭の辞「これはあなたの手帖です」

毎号、表紙の裏に書かれている言葉があります。

これはあなたの手帖です
いろいろのことがここには書きつけてある
この中のどれか一つ二つは
すぐ今日あなたの暮しに役立ち
せめてどれかもう一つ二つは
すぐには役立たないように見えても
やがてこころの底ふかく沈んで
いつかあなたの暮し方を変えてしまう
そんなふうな
これはあなたの暮しの手帖です

 

『暮しの手帖』ってどんな雑誌?と聞かれれば、この扉の言葉を示せば充分だと思います。

衣食住、本、映画、音楽、子育て、時には政治への批判も書いてあるけれど、どれも今すぐか、いつかある時に役に立つことが書いてある雑誌だと。

そしてこれを読む人は、いつか暮し方が変わってしまう雑誌だと。

 

 

私の心に沈んだこと二つ

 

リチャードジノリのイタリアンフルーツ


ある号で、リチャードジノリの「イタリアンフルーツ」というティーセットが紹介されたことがありました。

内容はよく覚えていませんが、「まだ帝国ホテルの中でしか売られていない」と書かれていたと思います。

 

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16か、17歳だった私は、「なんて可愛いんだろう!ステキなんだろう!」と思って、まだ一度も行ったことのない帝国ホテルに、このティーセットを買いに行くのを夢見ました。

親友に「結婚のお祝いは、ジノリにしてね」と言ったりもしました。

 

 

結局、結婚せずに30歳をいくつか過ぎた頃、自分でそれら一式を揃えたのが上の写真のセットです。

写っていませんが、三日月型のクレセントディッシュもあります 🙂

他の雑誌で食器が紹介されていたとして、高校時代に読んだ記事のことをずっと覚えていて、30歳を過ぎて一式揃えるって、あまりないと思いませんか?

つまり、単にいいなと思ったくらいのことじゃない。『暮しの手帖』は、私の心に夢のタネを蒔いたってことだと思うのですよ。

 

オレンジ色のお茶帽子

いつの号だったかも忘れたのですが、たぶん秋の号に、オレンジ色の毛糸で編んだお茶帽子の写真が載っていたのが、ずっと忘れられませんでした。

探せば実家の押入れにあるとは思いつつ、そんな時間もないままに過ごしていたとき、ふっと、編集部に尋ねてみたらどうだろう?と思いました。

45歳くらいの時でしょうか編集部に電話をして、『編み方』のページを送ってもらって編んだのが、下の写真のお茶帽子です。

記憶に近いオレンジ色の毛糸を探して編んで、「こんなのが編めればステキだろうな」と思っていたあこがれを、ようやく実現することができました。

 

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『暮しの手帖』が私に、すべて良いものを教えてくれた

私は大きな影響を『暮しの手帖』から受けました。

『暮しの手帖』は挿絵も、写真も色彩がとてもきれいで、器や椅子など背景にある小物もとてもオシャレで美しかったです。

それを、「東京山の手風」と評していた人がいますが、私は花森安治さんが神戸市出身で、しかも三代続いた貿易商の家に生まれておられることから考えて、「神戸人のハイカラ好み」が現れているのではないかと、思っています。

戦争中の暗くて貧しかった時代を経て、「これから何でも、好きなものを選べる」となったときに、用が足りれば何でもいいというような考えではいかんと、花森さんは考えられたのではないでしょうか。

 

「あなたが毎瞬間選びとる、その選択によって、あなたの人生は出来ていくんですよ」

だから少しも妥協しないで、物を作り、物を買いましょう。

こういう物が欲しいと、企業にリクエストして行きましょう。

こういう政策をしてくださいと、政府にリクエストしましょう。

そうして、私達の人生を守り、子どもたちの将来を守って行きましょう。

 

そういう熱い思いが、私の中に沈殿しているのを、はっきりと感じます。

 

花森さんは右翼でも左翼でもなく、人間が楽しくニコニコ笑って暮らせるために、何をするべきかをずっと考えていた人でした。

暮しの手帖を読んで育った人間として、私も同じことを考えて、できることをして行きたいと思っています。

 

 

 

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主婦起業を応援する「起業専門タロット占い師」です。 忘れっぽくても目標を見失わない! 決意と行動をひも付ける手帳「nicca branding diary」も制作しています。